訪問介護業を営む田中さん(仮名・50代・神奈川県)は、こんな悩みを抱えていました。「毎月末になると、スタッフ全員が残業して介護記録の入力に追われる。利用者さんのケアに集中したいのに、書類仕事ばかりで疲弊している」——。

導入前の課題

田中さんが運営する訪問介護事業所では、スタッフ10名が毎日複数の利用者宅を訪問しています。訪問後の介護記録は手書きメモをもとに事務所のパソコンで入力する形式で、月末の集計・請求書作成と合わせると、毎月30時間以上の残業が発生していました。スタッフの疲労蓄積と離職リスクが、経営上の大きな課題になっていたのです。

どのようにAIを活用したか

田中さんが試みたのは、2つのシンプルなステップです。

ステップ1:スマートフォンの音声入力で記録を残す
訪問先から次の利用者宅へ移動する車の中で、スタッフがスマートフォンのメモアプリに向かって話すだけ。「田中様、午前10時訪問。食事介助、完食。体温36.5度、血圧130の80。特記事項なし」といった形で、移動時間を使って記録を残します。
ステップ2:AIで文章を整理・清書する
音声で入力した箇条書きのメモを、AI(文章を自動で整理・要約するシステム)に貼り付けると、介護記録に必要な形式に自動で整えてくれます。「様式に合わせた文章に直してください」と一言添えるだけで、提出可能な記録が数秒で完成します。

結果:月6万円のコスト削減を実現

導入から3ヶ月後、事務作業にかかる時間は月30時間削減されました。スタッフ10名の残業代(時給換算で約2,000円)に換算すると、月額約6万円のコスト削減に成功。年間では72万円の削減効果が見込まれます。

さらに数字以外の効果として、スタッフのストレスが大幅に軽減され、「利用者さんと向き合う時間が増えた」という声が上がっています。月末の残業がほぼゼロになったことで、スタッフの満足度も向上しました。

担当者の声

「最初は難しいと思っていましたが、スマホに向かって話すだけなので、パソコンが苦手なスタッフもすぐに慣れました。早く帰れるようになって皆喜んでいます。導入費用もほぼゼロだったので、試してみて本当によかったです。」(田中さん・事業所代表)

読者へのアクションポイント

あなたの会社ではこう試せます

まずは「音声入力機能」をスマートフォンのメモアプリで試してみましょう。iPhoneなら「メモ」アプリ、Androidなら「Googleドキュメント」アプリで、マイクボタンをタップするだけで音声入力が使えます。

今日からできる3ステップ:
① スタッフ1名に1週間、音声入力で日報を書いてもらう
② 入力した音声メモをAIチャット(ChatGPTなど)に貼り付け「介護記録の形式に整えてください」と入力する
③ 効果を確認してから全スタッフに展開する

導入コストはほぼゼロ。まずは小さな一歩から始めてみてください。